【短編】狼彼女とチョコレート



「ぁ!んン…っ」



会長の舌が首筋を伝う。



会長はそれを見て楽しそうに笑った。



「篠田こそ、……弱いんじゃねぇの?」



会長の刺激にあたしの身体は敏感に反応する。



「かぃ…ちょ……んン…」


やっと唇が離れて、会長と視線が絡まる。



あたしはぼんやりと会長を見る。



「チョコレート…くれねぇの?」


「え…?チョ、コ…?」



あたしがそう聞くと、会長は恥ずかしそうに頷いた。



チョコレート、って……



「…ない。」


「…え?」


「ないよ、チョコ。」



だって、会長、甘いの嫌いだって言ってたし。



まさか食べたいとは思わなかった。



がっかりしたように肩を落とす会長。



そっか。


さっきから言いづらそうにしてたのって、このことか。



「…ごめんね?」



一応謝ってみるものの、会長は捨てられた仔犬のようにしゅん…とうなだれている。







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