(´Д`)

ぬおーーーー(´Д`)

一直線へ。

家々は丸裸。
ゲームで遊ぶ子供たち。
まったりお茶するご老人夫婦。
ラーメンすするパンチパーマ。

公園を通り
公衆トイレを突き抜ける。

そこで男の人が
人を呼ぶ声が聞こえた。

「誰かぁ」

個室に入った
おっさんが下半身丸だしで
人を呼んでいる。

「誰かトイレットペーパーを」

あー、紙切れか。
誰かがトイレに入ってくる
様子もなかったので
私は隣の個室のトイレットペーパーを
壁の上からひょぃっと
おっさんのほうへ投げた。

「おお、ありがとう」

いえ、これでもお助け隊なんで。

個室から出ると私がいた個室の
ドアに“故障中”と紙が貼ってあった。

あ、やべ。
おっさん出てきて
気づいたら驚くかも。

そして、ちょうどよく
水が流れる音がする。

まぁ、いいか。
人助けしたんだし。

私はそのまま何事も
なかったかのように
また一直線へ進んだ。

< 66 / 204 >

この作品をシェア

pagetop