いつかたどりついたら
「……はい」

「え?」

「よろしくお願いします」

矢沢先輩が、固まっている。
自分で告白したくせに、
何を言われたか
分かってない顔をしている。

「マジで?」

「私、何か変なこと言いましたか?」

先輩の頬が
上気していくように見えるのは
暗室の赤いランプのせいだろうか。

それとも、
こんなに怖い人でも
赤面したりするのかな。
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