いつかたどりついたら
先輩の腕が
私の首筋に巻きついて、
唇が
密着して

煙草の味がした。

そして、

「今!な、何か入ってきました!」

慌てて
彼の体から離れる。

「舌」

自分の唇を触りながら、
矢沢先輩は答える。
さっきまでとは違うクールな表情。

舌。
ディープキス。

私が想像していたキスとは
全然違う感じで、

「眼鏡、返して下さい」

矢沢先輩の手から
私の眼鏡を奪い取って、

「お疲れ様でした!」

訳の分からない挨拶をして、
先輩を暗室に残して
部屋を飛び出してしまった。
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