いつかたどりついたら
3、春樹
いつもより早い時間に
部室を出てしまったので、
帰りに駅前のコンビニで買い物をした。
いつも読んでいる少女マンガ雑誌と、
薬用リップ。
“ほんのり色づく、チェリーの香り”
と、パッケージに書かれている。
どうしてそんなものを
手に取ってしまったのか、
自分でも良く分からなかったけど、
買ってみてから改めて、
さっきの私、
唇カサカサじゃなかったかな。
と、心配になってきた。
そんなことより、
あんな風に逃げ帰ってしまって、
矢沢先輩は怒っているだろうか。
キスした後の先輩の表情は
なんだかすごく大人で、
あたりまえだけど
男の人で。
「ファーストキスだったのかあ」
まるで、
自分の身に起こった出来事では
無いみたいな気分だった。
部室を出てしまったので、
帰りに駅前のコンビニで買い物をした。
いつも読んでいる少女マンガ雑誌と、
薬用リップ。
“ほんのり色づく、チェリーの香り”
と、パッケージに書かれている。
どうしてそんなものを
手に取ってしまったのか、
自分でも良く分からなかったけど、
買ってみてから改めて、
さっきの私、
唇カサカサじゃなかったかな。
と、心配になってきた。
そんなことより、
あんな風に逃げ帰ってしまって、
矢沢先輩は怒っているだろうか。
キスした後の先輩の表情は
なんだかすごく大人で、
あたりまえだけど
男の人で。
「ファーストキスだったのかあ」
まるで、
自分の身に起こった出来事では
無いみたいな気分だった。