いつかたどりついたら
「今朝あんなことがあって、もうそれ?」

大声を出して、春樹が立ち上がる。
言葉がうまく出ないみたいだ。

「やっぱり覚えてるんだ、今朝のこと」

私もゆっくりと立ち上がる。

「俺、千里のこと好きだったんだけど」

今更告白?
しかも過去形?
春樹は動転しているみたいだった。

「俺の気持ち、気付いてなかった?」

怒ったままの声で聞かれる。

「知らなかった。言われてないもん」

「じゃあ言うよ、好きだ」

時間が止まる。

どうして
こんな形で、
ずっと聞きたかった言葉を
聞かなければいけないのだろう。
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