いつかたどりついたら
5、空の色
放課後になって荷物をまとめていたら、
八千代に背中をつつかれた。
「もしかして、アレは千里を待っとるのか?」
教室の後ドアの所に
矢沢先輩が立っている。
クラスの人たちが、
先輩を避けて前のドアから出ていく。
慌てて矢沢先輩の所に行く。
「よう」
昨日、急に逃げ出した事は、
怒っていないようだった。
矢沢先輩は優しく微笑んでいる。
「今日は部活に行くの?」
「あ、はい。行こうと思っています」
「俺も今から人と会う約束があるから、
五時に駅前のマックで待ち合わせしよう」
矢沢先輩と話していたら、
春樹が近づいてきて、
「先に暗室に行ってるぞ」
と言って、後ろのドアから出て行った。
「何、あいつ」
矢沢先輩が、
ちょっと怖い顔になる。
「いとこなんです。部活も同じで」
「へえ、いとこねえ……」
廊下を歩く春樹の後ろ姿を、
矢沢先輩は睨み付けるように見ていた。
八千代に背中をつつかれた。
「もしかして、アレは千里を待っとるのか?」
教室の後ドアの所に
矢沢先輩が立っている。
クラスの人たちが、
先輩を避けて前のドアから出ていく。
慌てて矢沢先輩の所に行く。
「よう」
昨日、急に逃げ出した事は、
怒っていないようだった。
矢沢先輩は優しく微笑んでいる。
「今日は部活に行くの?」
「あ、はい。行こうと思っています」
「俺も今から人と会う約束があるから、
五時に駅前のマックで待ち合わせしよう」
矢沢先輩と話していたら、
春樹が近づいてきて、
「先に暗室に行ってるぞ」
と言って、後ろのドアから出て行った。
「何、あいつ」
矢沢先輩が、
ちょっと怖い顔になる。
「いとこなんです。部活も同じで」
「へえ、いとこねえ……」
廊下を歩く春樹の後ろ姿を、
矢沢先輩は睨み付けるように見ていた。