いつかたどりついたら
四時五十分。
駅前のマックで
ホットコーヒーを飲んでいたら
店内に矢沢先輩が入ってきた。

まだ、私には気付いていないようで、
何かを注文している。

学生服の上は脱いでいて、
ボンタンズボンに
派手な柄シャツを着ている。
やっぱりどう見てもヤンキーだ。

「もう来てたの? 早いな」

すみっこの席に座っていた私を見つけて、
先輩は急に笑顔になる。

「さっき来たばかりです。
用事は終わりましたか?」

「ああ……」

私の向かいの席に座り、
カップにストローを挿していた先輩が、
ちょっと難しい顔になる。

「うん、もう大丈夫」

矢沢先輩は「人と会う約束がある」
と言っていた。
誰と会ってきたのだろう。

私が聞きたそうな顔をしていたのか、
先輩が口を開いた。
< 40 / 90 >

この作品をシェア

pagetop