いつかたどりついたら
「なんでも、誰かが与えてくれるのを
待ってるみたいに見えるよ。
矢沢と付き合ってるんだって?
どうせ、自分を好きになってくれる
男なら誰でも良かったんでしょ」

「どうしてパン一個でそこまで
言われないといけないんですか」

私の手にあるクリームデニッシュは
つぶれそうになっていた。

天草先輩は、驚いたように
私の顔を見ている。

「言い返してくるとは思わなかった。
ごめん。私、思ったことが
すぐ口に出ちゃうんだ」

少し申し訳なさそうな顔をして、
天草先輩は売店の外に出て行った。
< 47 / 90 >

この作品をシェア

pagetop