いつかたどりついたら
「あの日、思ったんだ。
いとこの俺なんかと
一緒にいるべきじゃないって。
あのままじゃ両想いになってしまうから、
それが恐かったんだ」

ずっと理由が分からなかった。
あの日の春樹の言葉。

「だから千里の前から逃げた。
でも、すげー後悔した。
振ってみて初めて
どんだけ好きだったか自覚して」

涙が出そうになる。
春樹は私のことを
ずっと想っていてくれたんだ。

「なあ、キスしていい?」

「え?」

「一回だけキスしたら、
今度こそ本当に千里のことあきらめる」

「だ、駄目だよ。
私、矢沢先輩の彼女だもん」

「じゃあ、力ずくで」
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