いつかたどりついたら
どさり。
視点がひっくりかえる。
両腕を握られたと思ったら、
いつの間にかベッドに押し倒されていた。

「やだ……」

「俺のファーストキス、
最悪な思い出になったんだぜ。
やり直させてよ」

いたずらっぽく春樹が笑う。
だけど、目が笑っていない。

ベッドに押さえつけられた両腕は
どんなに力を入れても抜けない。
春樹ってこんなに力が強かったんだ。

「ん……」

春樹に唇をふさがれる。
長い
長い、
終わりの象徴みたいなキス。
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