いつかたどりついたら
自宅に帰ると、
優にいちゃんがリビングで
紅茶を飲んでいた。

「春樹は?」

「千里ちゃんの部屋でマンガ読んでる。
叔母さんは夕食の買い物に行ったよ。
今日はハンバーグだって」

「やった! 食べて帰るんでしょ」

「当然」

優にいちゃんが、
ティーパックとポットのお湯で、
私の分の紅茶も淹れてくれる。

テレビが小さな音でついていた。
夕方のニュースが流れている。

「優にいちゃん」

「ん?」

「矢沢先輩が暴走族に
入ってるの知ってた?」

優にいちゃんの
紅茶を運ぶ手が止まる。

「うん、知ってた」

申し訳なさそうに優にいちゃんが言う。

「そっか」

「千里ちゃんも知っているのかと思ってた。
他にも色々な噂があるけど、聞いとく?」

私はちょっと考えて

「ううん、やめておく」

と返事をした。
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