いつかたどりついたら
四人部屋だけど、
ベッドの二つは空いているようだ。
残り一つのベッドの人は、
今は外出しているようだった。

矢沢先輩は左手にギプスを、
右手に包帯を巻いている。

「こっちは捻挫しただけだから、
すぐに使えるようになるらしいけど」

右手を上げて、矢沢先輩が言う。

「両手が使えないと大変ですね」

「ああ、もうたまっちゃって大変。
ちょっとヌいてくんない?」

「……冗談ですよね」

「冗談だよ」

ベタな下ネタを言いながら、
矢沢先輩がにやにやしている。
髪型が違うせいか、
いつもよりずっと若く見える。
そういえば優にいちゃんと
同じ年だったっけ。
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