いつかたどりついたら
「だから、
頼むから、
もう会わないなんて
言わないでくれ……」

「はい……」

私の涙が、頬を伝って
プリンのカップに落ちる。

「……頼みがあるんだけど」

先輩が私から目を反らしたまま言う。

「そこにあるタオル、
右腕に巻いてくれないかな」

「あ、はい」

棚からタオルを取り、ぐるぐると
矢沢先輩の右腕に巻きつける。

先輩はパタリと仰向けに倒れて、
右腕で自分の目元を覆う。

「それから、もう出て行って」

矢沢先輩の言葉に
背中が冷たくなる。
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