いつかたどりついたら
「で、どうしたの」

と、優にいちゃんは
電車のつり革を持ち替えながら聞いてきた。

「他の人と同じ」

ちらっと、春樹の顔を見る。
つり革にぶら下がって、
聞いているのか、いないのか
わからない表情をしている。

「好きな人がいますって、断ったよ」

私がそう言った瞬間、
外の景色を見ていた春樹が
私の顔を見た。

「好きな人?」

「う、うん……」
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