いつかたどりついたら
「弟くん、どうよ?」

天草先輩がニヤニヤしながら
春樹を肘でつつく。

「はあ、あの、芸術的っすね」

春樹が困ったように返事をする。

「この絵は優一のためだけに
描いているようなもんなんだ」

天草先輩が自分の絵を
満足そうに眺めながら言う。

「あいつ、興味無いようなフリして
チラチラ見てるんだよ」

「そりゃ、男なら見るでしょ」

「毎日部活で私の身体を見て、
頭に焼き付いて離れなくて、
夜、布団の中で悶々とするんだよ。
そういうのって興奮しない?」

「ひでえ」

いつの間にか天草先輩と
春樹が仲良くなっている。
二人で楽しそうに笑い合っている。
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