Contrast
 だから私はすぐに図書室へと向かった。考えていれば考えるほど自分の孤独感は増すばかりで、早く誰もいない場所へ向かいたかった。


 図書室は別に好きでもなければ嫌いでもない。眼中に無かった、というのが正しい表現だろうか。なのでどの程度の人たちがいるか、広さ、などまったくノーマーク。


 苦肉の策に等しかった。 


 授業が終わり、昼休み。高校生になりたてのクラスメイトは、想像以上にませていて、グループを作ることに予断を許さない。


 顔はどうだ、態度はどうだ、人付き合いはどうだ、一瞬で見極めて、仲間に入れる。このクラスになって一週間、どうやら私はどれにも当て嵌まらないみたい。なんて、本当は違う理由だって気づいてる。ただの言い訳。


 そんなことをぼんやりと思いながら鞄を片手に教室を抜け出した。
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