結局、きっと…好き。

「あー…悪いけど、そろそろ行かねぇと…」


携帯電話のサブディスプレイで時間を確認したナツメくんがそう切り出した。


「あ…はい」


だからそう答えて私も帰り支度を始めた。


寂しいけど、寂しそうにしちゃダメだ。

もう少し一緒にいたいみたいな空気漂わしちゃダメだ。


グッ…と堪えて立ち上がるとレジに向かうナツメくんを追いかけ、財布を取り出す。


だけどナツメくんはそうする私を止め、お金を払わせてくれない。


自分が食べた分ぐらいは…と言ったけど、「じゃぁまた次の時に貰う」と言われたから今日はお言葉に甘えることにして財布を鞄にしまった。


−−−…え?次!?

今、『次の時に…』って言ったよねっ!?

次があるの!?
それっていつ!?


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