結局、きっと…好き。

微かな期待を胸に、ナツメくんを見送りに駅までついて行った。


切符を買うナツメくんの背中を見つめながら、次っていつ?いつにする?

ドキドキ、ワクワクしながらその時を待った。


だけど…。


「あ、ヤベッ!
電車来たっ!

じゃあ気ぃつけてなっ!」


そう口早に言うと、私を見ることも別れを惜しむこともなく。

さっさと改札を通り抜け、閉まりかけた電車に駆け込んだ。


「えっ、ナツメく…!
つ、次のっ……!」


伸ばした手は空を切り…。

ナツメくんを乗せた電車はガタンゴトン…と無情にも走り出してしまった…−−。


こうして…。


ナツメくんを…というより、ナツメくんを乗せた電車を見送って…。


時間にして、4時間ちょっとの初デートはあっさり幕を閉じた…−−−−−−−…。





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