結局、きっと…好き。

それでもその日の電話は楽しかった。


自然に会話が出来て、話題も尽きない。


電話、苦手そうなナツメくんだけど今日は切らずにいてくれた。


相変わらず口数は少ないけど、たまに聞こえてくる『ふ…』って笑いが胸をキュンッて締め付ける。


「あ、そろそろ休憩終わるからもう行くわ」


「え?休憩…ってバイト中?」


「あぁ、うん。

お前のメール見たのがバイト始まる前だったから、終わってから電話してたらまた夜中になるから今した」


「あ、ごめんなさい…忙しいのに。

でも嬉しかったです…ありがとございます」


そう言ったらナツメくんはなぜか無言だった。


「…??ナツメくん…?」


急に会話が途切れたから呼び掛けると。


「いや、いい。
じゃあ…またな」


それだけ言って切れた。

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