結局、きっと…好き。
ワイワイと賑やかなその団体は若い人たちばかりで、みんな仲良く楽しそうにお買い物をしていて。
何の気無しにそちらを見ただけだったけど…目の前で繰り広げられてるこの出来事から目が離せなくなった。
だってその団体の中にこの1ヶ月、連絡を待ちわび、何度追い払っても頭の中からも心の中からも一瞬でさえ離れてくれなかったナツメくんがいたから。
でも…声をかけることも走り寄ることもできなかった。
だって……。
ナツメくんの横にはいつかのファミレスで会ったあの可憐な女の人がいて。
ナツメくんにぴったりと寄り添うようにくっついていて。
その…どっからどう見てもお似合いカップルのオーラを放つ間に割って入れなかったから。
「お客さん、お釣りっ!」
店員さんのその声にハッ!と我に返り、お釣りを受け取ると一目散にコンビニを出た。