結局、きっと…好き。

『そんなこと当たり前だろ?』って。

『それ以外にどうすんだよ』って、店長の横顔が語ってた。


当たり前…って言えばそうかもしれないけど。


『忘れられないなら忘れなきゃいい』


それはそうだろうけど、でも忘れなきゃダメなんだ。


忘れなきゃ前に進めない。


期待はずれ…と言ったら失礼かもしれないけど、私が欲しい答えじゃなくてガッカリ…。


期待からか、自分でも気づかぬうちに乗り出していた体をシートに戻し、バレないようにこっそりため息を吐くと窓に頭を預けた。


そうしてお互いが口を閉ざしたから何となく微妙な沈黙が車内に流れていたけど…。


「…なぁ?もし…『人生やり直しスイッチ』があったらお前、押すか?」


店長の突拍子もない質問に微妙さも静寂も、いとも簡単に飛んで行った。


「はぁ!?」


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