結局、きっと…好き。
その時丁度赤信号になって車が止まったから店長は短くなったタバコを吸ってから灰皿に押し付けて火を消した。
それからフー…って煙りを吐きながら口元に苦笑いを浮かべて。
「俺なんて…後悔しまくりの人生だよ。
『こんなはずじゃなかった』とか。
『時間が戻せたら!』って…な。いつも思ってる」
すごく切なそうな顔して言うもんだから余計気になってしまう。
そんなスイッチなんか現実にありはしないし、架空の、よくある『もしも話』だ。
それなのにやけにリアルで、店長がこんな顔をするもんだから聞いてしまった。
「じゃあ…何で押さないの?スイッチ…」
聞いていいのかな。
そんな迷いも少しはあったけど、それよりも知りたい気持ちが勝ってしまって。