結局、きっと…好き。

「あぁ…。ずっと昔にな…」


そう答える店長の声はちょっと切なそう。


「今でも好き…?その人のこと…」


「…ハハッ!
もう昔の話だよ」


「…そっか。

ねぇ、どれだけこの歌きいた?どれだけ聞いたら…立ち直れた?」


私は窓の外を見てたからわかんないけど、運転席からフッ…て笑った気配がした。


「さぁな…。

時間が経てばやがて…ってとこだろ」


「曖昧なんだね…。
あ〜あ…早く大人になりたいなぁ〜」


「…??何で大人?」


「早く大人になって、今日が過去になればいい。

店長みたいに『昔の話だよ』って言えるぐらいになればいい…」


「そんなに…辛いか?」


「………。」


「泣くほど辛いのか…」


必死に隠してたのに泣いてることはバレてたらしい…。


< 251 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop