結局、きっと…好き。
「わ、笑うとこなの??
笑える意味がわかんないんだけど…。普通怒んない??」
私だったら怒り狂ってる。
それぐらい怒っていいとこなのに店長は笑っていて。
しかも「そうか?」なんて言いながら呑気にタバコに火をつけて。
「その当時も怒んなかったの?」
「そりゃ怒ったさ。
怒って罵ってケンカして…。その度に謝って仲直りして。
でもまた同じことすんだよなぁ〜…。それでまた怒って罵ってケンカして…その繰り返しだ」
「何で…別れなかったの?」
その質問はしちゃいけなかったのかもしれない。
だって…さっきまでこっちが呆れるぐらい笑ってたのに、急に黙ったから。
黙って、深くタバコを吸うと海風に乗せて煙と、それから…
「失いたくなかったから…だろうなぁ…」