結局、きっと…好き。
波の音に掻き消されそうなぐらい小さな声で本音を吐いた。
その店長の本音は私の耳にはちゃんと聞こえた。
だけど…言葉が出てこなかった。
その気持ちが今の私には痛いほどよくわかるから。
愛する人を失いたくなくて自分を殺す…−−−。
そんな気持ちが…よくわかる。
「挙句には、俺のツレとまで寝てたりな…。もう、誰にキレたらいいかわかんねぇ。
尻の軽い自分の女にか、どっちが誘ったのか知らねぇけどツレの女に手だす奴らにか。
そのうちもう…誰が味方か誰が裏切り者か。信じてたツレ達なのに、そんな疑いの目で見るようになってた」
「………。」
「でも疑われて良い気はしねぇだろ?
ツレの仲にはそんな俺の態度に傷ついた奴もいただろう…。
でもそんな事に気がついたのは…もうみんなが去ってからだった」