結局、きっと…好き。

「…はいはい。
もう赤点とんなよ?」


それだけ言うとヒラヒラと片手を挙げてナツメくんは帰っていく。


その背中を見つめてたら、何だか急に寂しくなってきた。


せっかく話せるようになったのにもう終わっちゃうのか…とか。

明日からもう会えないんだ…とか。


ナツメくんは私を振った人で、私が悪いんだけど酷い振られた方したし大嫌いになった。


だけどそんな相手に勉強教えてもらわなきゃいけなくて、しかもかなりひどい扱われ方だった。


「バカ」しか言われてなかったようにも思うし、ナツメくんの私を見る目や顔はいつだって呆れてたようにも思う。


だけどまぁ…案外楽しかった…かな?ほんのちょこ〜…っとだけだけど。


この数日間を思い出して、フフッと笑うと私も来た道を帰ることにした。


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