結局、きっと…好き。

「俺は…別にアイツを恨んでない。アイツと過ごした時間を無駄だったとも、消したいとも思わない」


「………どうして?」


「……さっき、お前が昔の俺にそっくりっつったろ?

俺も今のお前みたいにアイツのことを忘れたいとか、前に進みたいとか思ってた。

忘れたくて忘れたくて、足掻いて足掻いて…散々だったよ。

女なんかくそくらえー!とも思ってたし、もう傷つきたくなくて過剰なぐらい自己防衛して…。


でも…ある日思ったんだ。


いつまでこんなことしてんだろ…って。

忘れたいはずなのに忘れられないし、前に進みたいのに俺は立ち止まったままじゃねぇかって」


「それから…どうしたの?」


「足掻くのをやめた。

やめて、じっくり過去と向き合って考えた」


「…………。」


< 261 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop