結局、きっと…好き。

「そしたら……悪いことばっかじゃなかったなって思った。

失ったものは多いけど、アイツがいたから知れたことや得たこともある。

だから…もう無理に忘れようとか、過去を消したいとか。否定するのはやめよう…って思ったんだ。

そしたら随分楽んなった」


「…………。」


「だからお前も…無理すんな。

2人でする恋は終わったかもしんねぇけど、お前がまだ好きなら好きでいいじゃねぇか。

心の中で好きでいるぐらい、誰にも迷惑かけてねぇしな。

そのうち、自然と忘れられてたりいつしか誰かにときめいてるさ」


まるで小さい子をあやすように、頭をポンポンって撫でてくれて。


そしたらまたジワァ〜…って涙が出てきたから我慢せずに流した。


そんな私の隣に店長はいてくれた。


彼女が好きだったあの歌を口ずさみながら…−−−。

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