結局、きっと…好き。

ナツメくんは私から一瞬も目を逸らさずに、メガネの奥の漆黒の瞳に私を映したまま口を開いた。


「…忘れてた」


「…?な、何が?」


「随分…長い間言うの忘れてたんだけど…」


「………??」


「……好きだ」





−−−−−…えっ?


好……き…?





「………それだけ。」




“それだけ”……そう言って、呆ける私を残し自動ドアを潜ってナツメくんは帰って行ってしまった。


…ぇ?え?…えええ〜!?


残された私は大パニック。


好き…って私を?
ホントに!?


だってナツメくんは…。



「…何だ。意外と遅かったな、彼氏くん」


まるでこうなることがわかっていたと言わんばかりの口ぶりで奥から店長が出てきた。


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