結局、きっと…好き。

「つぅか…お前、やっぱバカだな」


「な、何でですかっ!」


本人の目の前で暴露され、だけど反応が薄い上にバカ扱い。


恥ずかしいやら情けないやらで思わず噛み付いてしまった。


だけど。
返ってきた言葉は意外で。


「誰が『頭の良い奴が好き』っつったんだ?」


「……え?」


頭の良い奴が好き…とは言わなかったけど、悪い奴は嫌いって…。


わけがわからなくて目をしばたかせる私を置いて、ナツメくんはため息をひとつ吐くと私の通知票をパタンと閉じた。


「お前が…例え学年トップになろうと彼女にはなれねぇよ」


あまりの衝撃発言に息が止まった。それから胸の痛さに息がつまった。


私の中の色んな感情が一瞬にして凍りついて機能を停止した。


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