結局、きっと…好き。
人で溢れザワザワと騒がしい靴箱で、目当てのナツメくんを見つけると後ろから大きな声で挨拶した。
「先輩、おはようございます!」
ナツメくんは既にその背後からかけられた声だけで後ろに立ってるのが私だと気づいたらしく、ダルさを少しも隠すことなく振り返った。
振り返って−−−−…固まっていた。
「………!?」
「おはようございます、先輩。今年もよろしくお願いします」
私は上品に、それからふんわり笑って頭を下げると自分の靴箱へ向かった。
よしよし!
作戦成功!
ナツメくんの視線を背中に感じつつ、心の中でガッツポーズしながら階段を上る。
くっくっく!
ナツメくん、驚いてたな〜。
これで少しはナツメくんに今までとは違う私を印象付けれたにちがいないっ!!