【完】きっと、ずっと恋をする
「お、はよう……」
「美月(みづき)…だっけ?俺、隣の席の水瀬雄太郎(みなせゆうたろう)、よろしく!」
さっそく呼び捨てというフレンドリー攻撃に、胸はキュンキュンしまくり。
そんな私をよそに、雄太郎は鼻歌を歌いながら、席についた。
一年生なのに、ネクタイを緩く閉めてるあたりも格好いい…って見とれてる場合じゃないや!
とにかく、挨拶しなきゃ!
「唐田(からた)美月です!よろしくお願いしますっ!」
興奮しすぎた私は、その場に立ち上がって、ペコリと雄太郎に頭を下げた。
「あ、なんかいいにおい」
「へ!?」
雄太郎のよく分からない発言に下げていた頭を上げる。
「髪の毛」
そう言って雄太郎は、私の肩の下に伸びる髪の毛の先を人差し指と親指で優しくつまんだ。
ダメだ。
私、もう心臓止まっちゃうかもしれない……。