キスしたくなる唇に。
『………』
「Qもしも今、目の前に、あなたの好きな人が居ます。そして、あなたの10cm先に好きな人の唇があります」
『………』
わからない。だけど言葉が勝手に動きだす。
「答えは単純です。あなたはどうしますか?」
『………強引にでも、キス、する』
「…そっか。じゃあ西野は正しいよ。…直感的に生きる。西野が、この人だ! って思ったらその人。
その人はあたしじゃない」
『………』
「あたし、あの時さぁ、告白じゃなくて『協力する』って言えばよかったね。そういえば、無駄な悩み増やさなくてよかっただろうし。
……なんていうか、ごめん」
『………俺も、中途半端に出して、ごめんな』