キスしたくなる唇に。
「先輩、先輩が風邪引いたとき…寝ぼけてあたしに何やったか覚えてます?」
あたしは先輩を試すように笑いながらそういうと、先輩は『さぁ?』なんて意味深な笑みをあたしに返した。
それがあたしは悔しくなって、熱くて重い頭ごと上半身を起す。
それでも先輩の顔は変わらない。
…本当、何考えてるんだろうこの人は。
「…先輩は、あたしにこんな事、したんですよ」
先輩が少し間の抜けた顔をしたのと同時に、あたしは頬においておいた手をそのままに、先輩の下唇に噛み付いた。
「…ッ!?」
先輩は抵抗もないものの、明らかに驚いている。