キスしたくなる唇に。
そうしてる時間が長く感じたのは気のせいか、
いきなりあたしの布団は姿を消し、ベット上にはあたしと枕のみが取り残され、見事に冷や汗だらけのあたしが露になった。
もちろんあたしから布団を引き剥がした鬼は先輩。
あたしはロボットのようにぎこちなく、先輩の表情を覗き込んだ。
するとなんということだろう。
ポーカーフェイスはポーカーフェイスだけど、そこには無表情の先輩がいた。
いつもニコニコしているせいか、無表情はかなり怖く感じる。
わかる。怒ってる。そんな感じ。