キスしたくなる唇に。
「………あたしとケンカしたいの」
「違うって。最近西野を見てるときのあんたの顔は今にも痴漢しそうなおっさんみたいって事」
「…うそ、そ、そんなひどい?」
「うん! すっごいね!」
あたしはとりあえずガクっと机に突っ伏した。
勢いをつけたせいか、『ゴンッ』というなんとも鈍い音があたしの脳をつきぬけて、
それに驚いた千穂が『おお』なんて歓声を上げる。
「なんか最近ずっと目の中ハートマークでさ」
「あんたはあたしを応援してくれないの」
「うん。内心さっさと玉砕しろって思ってる」
「…くそ、ドSめ」