キスしたくなる唇に。

隣には相変わらずのおだやかでかつさわやかな笑顔の先輩が千穂と同様に頬杖をついていた。



「い…いつからそこに」


「うーんとね、正確に言うと俺の話題が出たときぐらいかな」


「………」



この人、目立つくせになんて気配がないんだ。
怖い。



「あ、あの…で、なんの御用で」





そういえば話すのあのキス事件以来だなあ、なんてぼんやりと頭の中をとびまわった。


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