キスしたくなる唇に。
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「…ということでクラスの出し物を決めます。案が出なかったら学園祭はありません」




『めんどくせー』だの『たるい』だの抜かしてるクラスメート達に、そんな言葉を放つ。



本当、面倒くさいのはこっちだっての。


ちょっとざわつくクラス内を見回して、誰にもわからないようなため息をついた。




「はいはーい、ふつーにお化け屋敷とかでいいと思いマース」




そんなざわめくクラスの中で、結構目立つ方の男子が手を上げて発言。




あたしはとりあえず深緑色をしてじっと構えている黒板に白いチョークを立てた。



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