キスしたくなる唇に。



明らかに音色が変わったのに驚いて、あたしは思わず西野の顔を見直す。




西野は幸せそうな、子供っぽい笑顔をめいっぱいにこらえてる感じの表情で、なんだか入り込めないような気がして嫌だった。







……そんなに好きなのかな…、お姉さん。






見たことがないその人に、あたしは静かに嫉妬してしまった。




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