キスしたくなる唇に。
千穂のせいで考え事が多くなった。

…めんどくさい。










もともと男受けのいい顔をしていた千穂は、学際から後夜祭に移り変わるなり他クラスの男子たちとどこかへ消えてしまった。

今日仲良くなっただとか。






まあ好都合だ。




この調子で西野を――――




「信也」



そう思って振り返った途端、


あたしじゃない声が西野の…しかも下の名前を呼び捨てで呼んだ。


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