キスしたくなる唇に。

「おお、上がるんじゃない? 来なよ、薮知さん」



先輩は相変わらずの読めない表情であたしを手招きすると、丁度そのとき、赤い花火が上がった。




バァン!

最初は思わず目を瞑ったものの、強制的に先輩があたしの瞼を持ち上げた。





「すごいよねぇ、学校で花火なんて。理事長さんはロマンチストだねぇ」

「………」








―――――あ。



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