桜の契約†転生†
五章 闇の光
社長が帰ってきたのは明け方だった
随分疲れた顔をしている
何て声をかけたらいいのか分からなかった
「ただいま…」
「おかえりなさい…」
何故だか涙が出てくる
お互い精神的にボロボロのはずなのに声が聞けただけで心が安心したんだ
「二人とも一命は取り留めた…まだ意識は戻らない危険な状態だ…あとはあいつらの生きる力にかけるしかない…」
社長のその言葉に私はあまりに無力だと思い知ったのだ…
今も生死の境をさ迷っている二人に何もできない。してやれない。自分が情けなく許せなかった
一番許せないのは私たちの仲間を傷つけた男……金髪の黒服。その人だけは絶対に許せない。私の手で必ず殺す…
事務所の中に入りひとまず腰を落とした