桜の契約†転生†
「じゃあ私が住む所を探しておいてあげます!どうせ宛てなどないのでしょう。私はあなたの味方だって昔から言っているでしょ」
何から何まで世話になりっぱなしで、私はハクさんと出会ってなかったら本当にこれまでどうなっていたのだろう…
申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、この善意に甘えさせてもらうことにした。
数日後、ハクさんの図りで小さいアパートだけど住む所が見つかった。彼の傷も大分良くなり、撃たれた足は引きずりながらも一人で歩けるまでになった
住む所は私達の桜の木から近い場所で教会からもさほど遠くない位置だった
「ハクさん、私なんかのために今まで本当にありがとうございます!いつも私を助けてくれて、親切にしてくれて、この御恩は必ずお返しします…ありがとう」
私は今まで言いそびれたありがとうをこの時ちゃんと言えた。ありがとうって言葉じゃ足りないけど、何度も言わずにはいられなかった
にっこり笑い、ハクさんはたまにはまた顔を見せに来てくださいねと言い私たちを見送ってくれた
私達は手を振り、タクシーに乗った。後ろの窓からずっとハクさんは笑顔で姿が見えなくなるまで見送ってくれた