桜の契約†転生†

「まずはしずくから殺してやる…早くあいつに逢わせてやるからな…」

銃口は私に向けられたが避ける気力も避けようとも思わなかった


引き金が引かれる瞬間、五右衛門は私に覆い被さるような形で、身を挺して守ってくれた


「しずくさ……ん、俺はきっと……あなたをこうして守るために……生かされていたのかも……最後まで守れなくてごめ……」


「ザクッ」


「気持ち悪いんだよ!このオタク。死ぬほど撃たれたんだからちゃんと死ぬのがセオリーだろ!死んで俺の大事な部下に詫び入れてこい!」

銃を投げ捨てナイフに持ち替えて、五右衛門を無残に切り裂いた…


「これなら、さすがに亡霊いや、ゾンビも生き返ることは無理だろ…次はお前だしずく…」


今までのすべてに幕が降りる時がやってきた…

本当に不器用な人生だった、泣いてばかりだった…
それでも生まれてきて、良かったと思えるってことは私はきっと幸せだったんだ…神様…私を人間として命を与えてくれてありがとう…
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