43歳の産声


「あなたがお腹を痛めて産んだ子でしょ。」

今や昼ドラでも聞かない台詞だ。


母はうなだれるようにひざまずいた。


看護師は続ける。


「赤ちゃんが聞いたらどう思います?実の母にそんなこと言われて…。赤ちゃんだからってわからないと思ったら大間違いですよ。赤ちゃんだってわかるんだから。」


その通りだ。
一字一句、痛いくらいわかってる。

おかしな話だけど。


母は泣いていた。


私は「祐一郎」と名付けられた。


由来はわからない。そんなことどうでもよかった。
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