43歳の産声
「痛い!」
その声を聞くと同時に母の右手はもう私の頬を打ち抜いていた。
パシッという音はアイツの耳にも届いたようだ。
「おい!やめろよ。可哀想じゃねえか。」
なぜかアイツはニヤニヤとしながらそう言った。
「だって顔を引っ掻いたのよ。不細工な上に私に反抗するのよ。」
「おいおい。ひどいなぁ~。俺の子かもしれないのに」
何?
アイツはわかっていたんだ。私が自分の子であることが。
私は自分の血液がすべて頭に行くように、怒りと憎しみと切なさが一気に込み上げてきた。