43歳の産声
自覚

私が顔を横にしたとき、透明なかごに私の顔が映し出された。


そこには新生児とは思えないしわの多い顔。

加齢臭が漂ってきそうだ。



「おっさんじゃねえか。」


そう心の中で叫んだ。


わかった。

私はおそらく生まれながらに中年男性の顔と心をもっている。


ただ紛れもなく、体は零歳児なんだ。


母の乳が欲しい。
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