恋愛妄想
ファジーネーブル
合コン相手は
直美の彼氏の高校の同級生。

直美の彼氏はスゴイ気弱な人で
いつも直美の尻に敷かれている。
よく蹴りとか入れられている姿しか記憶にない。


顔が怖い。

が、気は小さいらしい。

「そんな合コンで未来決まるわけじゃないんだし、
気楽にいきなって」

待ち合わせの居酒屋まで
あたしは何度も直美と美保子に言われながら
ダラダラと歩き
最後には直美お得意のローキックを戴く。


店の前には直美の彼氏が待っていた。

なんだかよくわからないけど
一通り自己紹介して
飲んで食う。
なんか盛り上がっている。
盛り上がっているのは
直美と美保子とあと男の子二人。
うち一人は直美の彼氏。

「あれ?ナオ、飲んでる?」
「飲んでる飲んでる!」
笑っては見せたものの
あたしは場違いさに
早く帰りたかった。


盛り上がっている二人のうち一人が
場に慣れないあたしに気を遣って
いろいろ話を振って来たけど
あたしはあんまり話せなかった。

その人は清水君と言って大学生らしい。
あたしはプーと言うのもはばかるので
家事手伝いということで。


二次会でカラオケに行って、始発で帰った。

もちろん帰宅すると
おかーさんは居間で待構え、
あたしは懇々と説教を食らった。

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