後ろの迫田くん
5分もしない内にチャイムが鳴り、「プリント後ろから回せー。」読書を満喫し終えた教師の声がした。


訳文なんてしてないし、その前にプリントさえない。


「おい。」

「・・・」


背後から声が聞こえたが、あたしに呼び掛けたのだろうか?


「おいって言ってんだろ。」



やっぱり、あたし?



首を後ろに向けるとプリントみを突き出された。


「・・・」



このプリントをですかい?

あたしプリントやってないのに使われんの?



ジーっとプリントと睨めこしてると、


「早く回せ。」


舌打ちが聞こえた。



プリントに寄せていた目線を机に伏せていた人物に移すと、めがね男子が居た。


「・・・めがね。」

「チッ。」


めがね男子は舌打ちすると席を立ち、あたしの前の席の子にプリントを渡した。
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